2022/01/06 13:52

こんにちは。たこ店長です。

前回の投稿から早4か月もさぼってしまい申し訳ございません。。。
今回は初心者やファミリー向けの記事となります。
是非読んでみてください。

【基本】
 ①宝石の輝き!ニジイロクワガタとは? ②ニジイロクワガタの飼い方 ~成虫編~
 ③ニジイロクワガタの増やし方
 ④ニジイロクワガタの飼い方 ~幼虫編~

【おまけ】
 ○カラーバリエーションを楽しもう!



①宝石の輝き!
 ニジイロクワガタ・・・その名の通り虹色に輝く美しい姿をしたクワガタです。
 世界で一番美しいクワガタと呼ばれています。
 日本にもタマムシという、よく似た色をしている昆虫がいます。
 これらの昆虫の色は「構造色」と呼ばれ厳密には色がついている訳ではありません。
 表面に細かな凹凸があり、そこに光があたるとキラキラ光って見えるという作りになっています。
 この構造色は太陽光を反射させ体温を調節したり、森の中では保護色になったりと
 身を守るための手段でもあります。

 宝石のような輝きにはきちんと意味があるんですね。
 
 ・和 名:ニジイロクワガタ
 ・種 名:Phalacrognathus muelleri(MacLeay, 1885)
 ・生息地:オーストラリア クイーンズランド州北東部、ニューギニア島のごく一部
 ・適 温:22~25℃
 
 オーストラリアの一部、パプアニューギニアのごく一部に生息していて、他の地域には生息していません。
 現地では幻のクワガタと言われ、ほとんど捕獲することが出来ず、オーストラリアの法律で
 国外への持ち出しが禁止されています。
 日本で出回っている個体は、輸出禁止前に日本に入ってきた個体の子孫です。
 貴重な種類ですが既に出回っている個体は安心して飼育することが出来ます。

②ニジイロクワガタの飼い方 ~成虫編~
 成虫はとても丈夫で部屋の中で飼育する場合は1年中飼育することができます。
 寿命も長く、きちんと飼育できれば1年前後生きます。
 飼育ケースに転倒防止用の止まり木、湿度を保つためのマット、エサを入れておけば飼育は可能です。
 低温(15℃以下)には比較的強いですが、高温(28℃以上)には弱いので真冬と真夏に注意が必要です。
 なお、オスはとても交尾欲が強いのでオスとメスは分けて飼育することをお勧めします。

 ちなみに・・・足の力がとても強いので近くで観察する際は止まり木に乗せて観察しましょう。
 手に乗せると中々放してもらえません・・・
 
 ○飼育セット
  飼育ケースは何でも構いませんが横15cmm、奥行き10cm、高さ10cm以上は欲しいです。
  床材は針葉樹マット(ヒノキやスギを粉砕した物)がおすすめです。
  ニジイロクワガタは排泄の匂いがきついので、匂いを吸着してくれる針葉樹マットがおすすめです。

  転倒防止用の止まり木も掴まれれば何でもOKですが、100ショップのスポンジを切って置いても大丈夫です。
  
 
 ○まとめ
 ・飼育ケースを作る
 ・餌が無くなったら餌を入れ替える
 ・温度に気を付ける
 ・乾燥したら霧吹きをする
 ・なるべくオスとメスを分ける

③ニジイロクワガタの増やし方
 上記の成虫の飼い方ではオスとメスを分けると書きましたが、増やす場合(交尾をさせる場合)は
 オスとメスを一緒にして「産卵セット」で飼育します。

 産卵セットの作り方はこんな感じ ↓↓↓ 5ステップだけ!
 
 1)飼育ケースに3回に分けて産卵用マットを入れる(少しだけ残す)
 2)マットを入れるごとに「ガチガチ」に押し固める
 3)一番上に少し残したマットをいれる
 4)転倒防止用にスポンジを切ったものを入れる
 5)ゼリーとクワガタを入れる

 ネットで検索すると様々な記事が出てきます。
 正直、初心者でもベテランでも成功するし失敗もするので、これがいい!
 という方法はありません。
 しかし、これはダメだろという失敗の確率を下げる事はできます。
 やってはいけないことを書いてみます。
 
 ニジイロクワガタ産卵セット、やっちゃダメなこと5選

 1)粒子の荒いマットを使う
 2)針葉樹マットを使う
 3)成虫になったばかりの新成虫を使う
 4)適温じゃない(20℃以下とか、28℃以上とか)
 5)卵の確認までの時間が早すぎる

 1)2)粒子の荒いマット、針葉樹マットを使う
  飼育セットと違い、これらのマットでは産卵できません。
  まず、針葉樹マットは成虫の管理の為”だけ”に存在するマットで卵は産めないし、
  幼虫の餌にならないし産卵マットにできません。
  続いて粒子の荒いマットです。ニジイロクワガタは微粒子の発酵の浅いマットを好みます。
  この微粒子発酵マットは探すのがとても面倒なので フォーテックさんの「産卵一番」を使うのがベストです。
 
 3)新成虫を使う
  新成虫というのは羽化してから間もない個体であり(3~4か月経過していない)内臓がまだ完成していないので
  交尾はおろか餌も食べられません。
  この個体を使用しても交尾が出来ないので産卵できません。成熟するまでもう少し待ちましょう。
  目安は餌を食べ始めてから2か月ぐらい
 
 4)適温じゃない
  産卵するには適温が存在します。24~25℃です。
  これは温度計がないと確認できませんが人間が快適に感じる温度は昆虫にとっても
  快適なので温度計がない場合は自分の感覚を信じてもOKです。
 
 5)卵の確認までの時間が早すぎる
  産卵スイッチが入ったメスは、産卵セットに投入した日から生み始めますがこのスイッチが入るタイミングは
  個体によってそれぞれですのでセットしたら1か月は待ちましょう。
  1か月で全然生んでない場合は失敗ですので再度セットし直しましょう。

 このように失敗する可能性を排除していくことで相対的に産卵の成功率を上げられます。
 頑張りましょう!

④ニジイロクワガタの飼い方 ~幼虫編~
 いよいよメインイベントの幼虫飼育です。
 成虫でいる期間よりも幼虫でいる期間の方が長いので幼虫の飼育がメインといってもいいでしょう。
 ニジイロクワガタの幼虫は2種類の方法で飼育できます。

 1)マット飼育
   幼虫飼育用のマットに幼虫を入れるだけ。
   ボトルと言われる800~2,000ccぐらいのプラスチック容器に湿らせたマットを少し硬めに詰めます。
   そこに穴をあけて幼虫を入れるだけ・・・
   とてもシンプルで扱いやすいので最初はこの方法がいいと思います。
   3~4か月に1回交換すれば成虫まで飼育できます。
   ただし、キノコバエというハエが発生することがあるので湿らせすぎや高温は要注意です。
   マットを湿らせる目安・・・マットに対して10%(5Lのマットを使用→500mlの水を入れる)

   最初から湿らせてあるマットもあるのでそちらを使ってもOKです。ちょっと高く感じるかもしれません。
   

 2)菌糸飼育
   こちらは初級者以上向けです・・・
   菌糸ビンとか菌糸ボトルと言われるグッズがあります。この菌糸というものはキノコの菌です。
   キノコの菌をおがくずに付着させ培養したものが菌糸ボトルになります。多くのクワガタの幼虫はこの菌糸で食量を
   増進させることができるので大きくなります。使用法も簡単で菌糸ボトルに幼虫を投入するだけ・・・なんですが
   種類が多い、マットに比べ費用が掛かる、扱いが面倒、匂いなどのデメリットがファミリーで飼育するには目立ちます。
   もしファミリー向けにお勧めするとしたら、「オオヒラタケ菌種 1,400cc」これのみです。
   扱いが楽、廉価、どこにでもあるとメリットが多いのでとりあえずの入門菌糸ボトルです。
   交換頻度はマットと同じく3~4か月がベストです。食欲旺盛だと2か月の場合も・・・
   他にもカワラタケやカンタケなどの種類がありますが中級以上の扱いができないと難しいのでここでは割愛します。
 
 幼虫が育ってきて、マットや菌糸に投入後6~8カ月経過すると「蛹室」と言われる楕円形の部屋を作ります。
 この部屋で蛹になるための準備をします。この準備期間の姿を「前蛹」といい、非常にデリケートな姿なので飼育ケースを
 触らないようにしましょう。
 この姿で1~1.5か月すると「蛹」になります。ここまでくれば半分安心です。
 さらにこの蛹で1,2か月すると成虫になります。これが新成虫です。
 新成虫は餌も食べずに体が硬くなるまで2~3か月じっとしています。この期間が終わると自分から出てきますので
 それまで辛抱しましょう。
 
 ここまで、産卵~幼虫~成虫と飼育してみると約8カ月~1年半かかります。
 とても根気が必要でつまらない時期が長いかもしれませんが、自分で育てた幼虫が立派な成虫になって出てくると
 何とも言えない嬉しさがあります。この感動は幼い頃に味わっておかないと大人になってからでは中々湧いてこないものです。
 是非一度、経験してみてはいかがでしょうか。


⑤おまけ カラーバリエーションを楽しもう。
 このニジイロクワガタは「色虫」とも呼ばれ、成虫にカラーバリエーションが存在します。
 ノーマルの緑、赤、紫、黒、極稀な金・・・と様々です。
 
 
 ↑パープルカラーと呼ばれるもの。調光の関係で赤っぽいですが実際は紫に見えます。
 
 ↑こちらはグリーン。エメラルドのような輝きです。

 画像はショップの生体の写真ですが撮影角度によっても色が変わります。
 この色は遺伝が可能で、紫の個体から生まれた子供は紫が多いです。
 ノーマルカラーからも様々な色が出現しますので、このカラーバリエーションを楽しむために増やす方もいます。
 自分の好みの色が見つかったら、その色を増やせるようにするのが楽しみの一つです。


飼い方がわからないから止めておこうと、賢明な方は思うと思います。
しかし調べてみて、それでも自分の目でその美しさを見たいと思ったときに飼育をお勧めします。
そして図鑑やネットの記事には載っていない発見や感動があれば自分の人生を豊かにしてくれると思います。
子供の時にそんな体験ができれば人生の色が変わるかもしれません。
構造色のような沢山の輝きがある人生になるといいですね。



全然かっこよく締められませんでした・・・
次回があれば・・・頑張って書きます。ではまた。