2021/08/27 15:47
こんにちは。たこ店長です。
今回はクワガタカブトムシ飼育で出会う「用語」について書いていきたいと思います。
初心者向けの記事です。
目次
・購入する際に出会う用語
・飼育する際に出会う用語
・ちょっとマニアックな用語
・まとめ
【購入する際に出会う用語】
ショップで生体を購入する際に、生体情報に記載されている情報は
初めて見る人にとってはチンプンカンプンです。
下記に例示してみます。
例
・種別:国産オオクワガタ♂
・サイズ:80.0mm
・羽化日:2021年8月
・産地:福岡県久留米市
・累代:F5(インラインブリード)
・状態:後食済、前胸にディンプルあり
累代のあたりから急にわけがわかりませんね。
躓くであろう用語を解説します。
○累代
WD、F1、CBなどの表記がされますが、世代のことです。
上記の例では、F5=最初の親から5代目の子供=第五世代ということになります。
有名な血統をもつ虫はあまり気にしない情報ですが自分で血統作出を目指す方や
血統の維持をする方以外は気にしなくてもいい情報です。
下記は混乱するのでかなり簡潔にします。
それぞれメリットデメリットがありますが初心者はあまり気にせずまずは
生体に触れてみてください。
・インブリード:近親交配。同腹(同じ親の兄弟)個体同士の世代
・インラインブリード:同じ産地で先祖が同じ個体同士の世代
・アウトラインブリード:同じ産地ではあるが全く異なる血筋と掛け合わせた世代
○後食済・未後食
カブトムシやクワガタは成虫になってすぐに活動するわけではなく、
活動するまでに休眠期間(成熟期間)を要します。
この間は内臓がまだ完成していないので2~3か月じっとしています。
後食済:羽化した生体が餌を食べている=成熟が完了した(しそう)
=メスとの交尾(ペアリング)が可能
未後食:羽化した生体が餌を食べていない=未成熟=メスとの交尾不可
=休眠期間が必要(2~3か月)
○その他
・ディンプル :体にある生まれつきのへこみや喧嘩傷のこと。
・血 統 :競馬と同じく、カブクワの世界はブラッドスポーツです。
大きな体長や美しいフォルムは遺伝します。
その遺伝をコントロールして大きく美しい虫を作出するのが
カブクワのブリードです。
・コバシャ :コバエシャッターという飼育ケースです。とても便利。
迷ったらこれ。コバシャ小以上のサイズなら
大型サイズ(80mm以上)生体も飼育可能。
・クリアスライダー:中型サイズ(70mmぐらいまで)の生体ならこれで飼育可能。
【飼育する際に出会う用語】
○菌糸ボトル、菌糸ビン
キノコの菌を植えた木くずです。
これはクワガタの幼虫の餌になります。とても大きくなりやすいです。
ただしこの菌糸では餌にならない種類もいるので
自分が飼育したい種類は菌糸が食べられるかを調べる必要があります。
○マット
土。ちょっとかっこよく言っているだけです。
クワガタ用のもの、カブトムシ用のものと分けて売っていることが増えました。
迷ったら専用のものを購入しましょう。
大雑把にわけると、クワガタ用のマットは微粒子、
カブトムシ用のマットはちょっと粗い。
○昆虫ゼリー
成虫用の餌です。栄養価の高いものを選んであげると長生きします。
(プロテインとかたんぱく質とか書いてあるもの)
○産卵セット
繁殖させたい場合(ブリードしたい)に使用するセットです。
産卵しやすい環境を整えた飼育ケースにメスだけ投入し、
1~2か月様子をみながら飼育します。
ばっちり環境を整えてあげると卵を産んでくれます。
ただし、産卵をしたメスはかなり弱るので寿命が短くなります。
鑑賞目的の人は産卵セットに入れないようにしましょう。
産卵セットの作り方は生体の種類によって異なるのでお店の人に聞いたり
自分で調べて生体に合った産卵セットを作りましょう。
○管理温度
生体を置いておく部屋の温度です。
日本原産であれば玄関や部屋に置いておいても大丈夫です。
(※猛暑の日はエアコン必須)
ただし、低温種と呼ばれる種類や、高山種などは管理温度を
低めに設定する必要があります。(専用の部屋や設備が必要)
○孵化、蛹化、羽化
小学生の理科の授業ぶりに聞く単語です。
・孵化:卵から孵ること。羽化と発音を間違る人が多い。
・蛹化:蛹になること。カブトムシとクワガタは完全変態です。
・羽化:蛹から成虫になること。
【ちょっとマニアックな用語】
○セミ化
幼虫が変態の時期を逃してしまう現象。(幼虫でいる期間が長すぎる)
どの国にも四季や乾季雨季が存在します。その温度変化によってクワガタ達は
成長段階のスイッチを入れています。
寒ければエネルギー消費を抑え、暖かければ活動を活発化し羽化に備える
・・・このようなサイクルです。
しかし、温度管理下ではその温度の変化を感じ取れない為、
スイッチが入らないときがあります。
これが所謂「セミ化」と言われる現象です。
セミ化すると蛹にならすいつまでも幼虫でいる為、幼虫のまま寿命を迎えます。
温度を上げたり、マット交換をしたりすると蛹化のスイッチが入る場合もあります。
○幼虫の暴れ
この暴れとは、餌となる菌糸やマットをきちんと食べずにかみ砕いて
かき回してしまう現象で特にニジイロクワガタに見られます。
暴れ始めると、餌の劣化は勿論幼虫の体力が減り痩せてしまい、
体重減少に繋がり小さい個体が羽化します。
大型を狙う種類は特にこの暴れに気を遣います。
【まとめ】
かなりの用語が並びました。書き始めてびっくりしました。
ここに書いてある用語はごく一部で網羅するとなると本が書けます。
これらすべての用語を覚える必要はありません。
飼育していくうちに自然と覚えていきます。
でも、自分が飼育しようとしている虫の生態は調べるべきですね。
高温に弱いかもしれない、寿命が短いかもしれない、餌を食べないかもしれない。
「生き物を飼う」というのは命を制限することです。
その制限下で以下に快適にすごしてもらうか・・・
それを考えるようにすると自然と知識が身につくと思います。
説教になってしまいました。
次回は玄人向けの記事を書きたいな。素人の僕が玄人に説教されそう・・・